「なぜ新規事業は成功しないのか」(大江建著)のメソッドを使って新規事業のコンサルティングをしています。

Asean Report

第3回カンボジアビジネスモデルコンテスト

2013,02,03

第3回カンボジアビジネスモデルコンテスト
 
■英語での募集に82件応募
 2013年1月26日にカンボジア国プノンペン市にあるCJCC (カンボジア日本交流センター)で第3回カンボジアビジネスモデルコンテストが開催されました。
 このコンテストは、公益財団法人CIESF(カンボジア国際教育支援財団、東京都港区、理事長:株式会社フォーバル代表取締役会長 大久保秀夫氏)とカンボジアの名門私立大学であるプティサストラ大学が共催、早稲田大学が協力という形で開催されているものです。
 2012年7月1日にキックオフ会を開催して、ビジネスモデルの公募を開始。同年10月末に締め切ったところ、カンボジア全土の大学生から82件の事業モデルの応募がありました。このコンテストへの応募は、現地語であるクメール語ではなく、英語で行なうこととなっています。日本で同様の募集形態で行なったとしたら、80件の応募は難しいのではないかと思うと、複雑な心境です。
 こうして応募された各案件は、まず、書類審査で20チームに絞られます。その後、面接審査を経て、10チームが最終発表チームとして選ばれました。
 
■「ビジネスプランコンテスト」から「ビジネスモデルコンテスト」へ
 今回で3回目を迎えたこのコンテストですが、今年は、昨年までの「ビジネスプランコンテスト」から、「ビジネスモデルコンテスト」へと内容を刷新しました。
 その理由としては、大学生にとっては「ビジネスプラン」の作成は、財務諸表の作成などのハードルが高く、それにエネルギーがとられてしまうという点があります。このため、事業の本質を追求することが疎かになるという傾向が懸念として指摘されてきました。実際、私も長年審査員を務めてきましたが、裏づけのない損益計算書の推計を見せられても、優勝チームの作成した事業計画書でさえ「砂上の楼閣」という印象を持つことを禁じえませんでした。因みに、このような「ビジネスモデルコンテスト」の開催は、国際的に拡がりつつあります。例えば、2011年には米国のBringham Young University開催されましたし、また、2013年5月上旬にはハーバード大学でも開催される予定です。
 こうしたことを背景に、今年は、事業戦略の提示に重点を置きました。審査と活動の流れは次のようになっています。
 
■審査と活動のプロセス
 第一段階としては、書類審査や面接審査の時点で示された事業を展開するうえでの“仮説”が、最終発表会に向けてどのように“検証”されたのか、というプロセスを重視しました。検証のためには、想定顧客などの関係者へのインタビューなどが必要となります。こうした過程を経て、どれだけ当初に置いた仮説が検証されていったのかをみていきます。
 それと併行して、事業モデルの磨き上げに注力しました。2012年11月には、4日間かけて最終発表のチームに対して、事業モデルについてのワークショップを開催しました。そのワークショップでは、Business Model Generation(2010)を参考書とし、さらに、アトリビュート分析消費チェーン、5W1H、エレベータスピーチなどの手法を学生達に教授し、学生達はそれらの手法を用いて自分のビジネスプランを約3ヶ月間で見直していくのです。
 このようなプロセスを経て、2013年1月26日に最終発表会が開催されました。会場には約400人にのぼる関係者や学生が集まり、関心の高さが窺われます。各チームの持ち時間は30分。15分の発表、15分の質疑応答という内訳です。
 審査の結果、第1位に選ばれたのは、「Khmer Zucchini Handicraft (カンボジアのへちまを使ったスポンジ)」の事業を提案したプティサストラ大学のチームです。彼らには、$3,000の副賞が授与されました。第2位は、カンボジア工科大学の学生の「有機ヤシ酢」の事業モデル、第3位はカンボジア工科大学の学生の「Food Technical Consultation Services」という事業モデルで、それぞれ$2,000、$1,000の副賞を授与されました。さらに、第1位と第2位の事業計画は、今年3月13日ミヤンマーのヤンゴン市で開催されるMcKinsey Mekong Business Plan Challengeへの参加権も得ました。
 会場には、来賓として教育省のピッチ・ソーポノフン長官もみえ、学生に向けた講演をしてくださいました。国をあげて、学生達の起業家精神涵養を奨励していこうという思いが感じられました。